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『緑衣のメトセラ』感想|科学とファンタジーの境界線。人はどこまで進化するのか?

読了本
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NANAKO
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こんにちは🌿.*
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へお立ち寄りくださりありがとうございます。
今日ご紹介するのは、福田和代さんの小説『緑衣のメトセラ』です。

📖 本の基本情報

タイトル緑衣のメトセラ
著者福田和代
出版社集英社 
発売日2016年4月
ページ数336ページ
ジャンル文芸小説

📝 あらすじ

東京にある高級老人ホーム「メゾンメトセラ」。
その施設で、なぜか入居者にガンの発症例が多い――。幼馴染の千足(ちたり)からそんな噂を耳にしたフリーライター・小暮アキは、真相を探るべく調査を始めます。

併設された不破病院では、最先端のガン研究が行われ、新薬開発が進んでいました。しかし、そこでアルバイトをしていた千足が、突如として不可解な死を遂げます。病院側は「特殊なウイルスによる院内感染」と説明しますが、アキの胸には疑念が渦巻いていました。

旧約聖書に登場する、969歳まで生きたアダムの子孫「メトセラ」。
その名を冠する施設には、人類の未来を左右する重大な秘密が隠されていたのです。

人類は、今もなお進化の途上にあります。
理想や正義を実現するために、人はどこまで倫理を越えてしまうのでしょうか。ここに描かれるのは、怒涛のサイエンス・ミステリーです。

💭 読んだ感想(ネタバレあり)

福田和代さんのいつものサスペンスやアクションの感じとだいぶ雰囲気が違い、びっくりしました。
ミステリーやサスペンスというより、“遺伝子科学×ファンタジー” のような作品でした。

遺伝子操作による新しい生命の誕生。光合成で生きる人間や、緑色の肌を持つ存在…。近未来に実際にあり得るのかもしれない?と考えながら読むと、不気味さと同時にワクワクも覚えました。
進化を目指す人類の歩みは、時に神の領域に近づいてしまう危うさをはらんでいて、だからこそ倫理観が大切なのだと改めて思いました。

特に印象的だったのは、アキと院長が夜空を見上げるクライマックス。科学の話を追ってきたはずなのに、その場面はまるでファンタジーを読んでいるようで、おとぎ話を読むようにページをめくっていました。
「あれ…これは科学小説?それとも神話のような物語?」と、読み終えた今でも不思議な余韻が残っています。

☕ この本は、こんな人におすすめ

  • 遺伝子操作や生命科学に興味がある人
  • 科学とファンタジーの境界を描く物語が好きな人
  • 従来の福田和代作品とは一味違う世界観を楽しみたい人
  • 壮大なテーマに触れつつ、想像力を刺激されたい人

🔚 おわりに

『緑衣のメトセラ』は、がん研究や遺伝子操作という現実的な科学の題材を扱いながら、読み進めるうちに神話やファンタジーのような世界へと変貌していく、不思議な一冊でした。
「人はどこまで進化できるのか?」という壮大な問いを投げかけられた気がします。
科学小説として読むもよし、幻想譚として味わうもよし――読み手によって印象が変わる作品です。

NANAKO
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が、あなたと素敵な一冊との出会いにつながれば幸いです。
また次の本で、お会いしましょう!