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📖NANAKOの本棚📖
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今日ご紹介するのは、町田そのこさんの小説『星を掬う』です。
📖 本の基本情報
単行本
タイトル | 星を掬う |
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著者 | 町田そのこ |
出版社 | 中央公論新社 |
発売日 | 2021年10月 |
ページ数 | 328ページ |
ISBN-13 | 978-4120054730 |
ジャンル | 文芸小説 |
📝 あらすじ
小学一年生の夏休み、千鶴は母と二人きりで旅をしました。しかし、その後すぐに母に捨てられ、深い傷を抱えたまま大人になります。やがて結婚しますが、夫から金を無心される苦しい日々に追い詰められていました。
そんな中、ラジオ番組に「夏の思い出」を投稿したことをきっかけに、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る女性・恵真と出会います。
恵真の勧めで、逃れるようにして辿り着いた共同住宅「さざめきハイツ」には、生き別れた母を含め、家族の問題に苦しむ3人の女性が暮らしていました。互いの痛みを抱えながらも、4人で共に過ごす日々は、少しずつ彼女たちの心を変えていきます。
やがて千鶴と彼女たちに訪れた変化とは――。
💭 読んだ感想(ネタバレあり)
読みながら何度も胸が締め付けられました。主人公・千鶴の歩んできた道はあまりに過酷で、読むのが辛くなるほどでした。けれど、彼女が新しく出会った人たちとの関わりによって、少しずつ変わっていく姿に心を打たれました。物語の後半は涙が止まりませんでした。
特に印象に残ったのは「認知症は記憶や感情を心の底に沈める病気。時々、泡のように浮かび上がる想い出や感情が星なんだ」という表現。忘れ去られたはずの想いがふと蘇る、その瞬間の尊さに涙が止まりませんでした。
ずっと母を恨んで生きてきた千鶴が、さまざまな出会いを経て少しずつ心を変えていく姿は胸に迫るものがありました。「自分の人生を大切に生きたい」と思わせてくれる作品でした。
☕ この本は、こんな人におすすめ
🔚 おわりに
『星を掬う』は、母娘の確執や人生の痛みを正面から描きながらも、最後には小さな希望の灯りを示してくれる物語でした。重いテーマを扱っているのに、読後には温かさが残ります。心を揺さぶる一冊をぜひ手に取ってみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が、あなたと素敵な一冊との出会いにつながれば幸いです。
また次の本で、お会いしましょう!