― *. 読んだ本、少しずつ綴っていきます。 .* ―

『潜航せよ』感想|日本一運の悪い自衛官、再び!スケール爆上がりのミリタリーサスペンス

2013年新刊2016年新刊KADOKAWA文芸・小説福田和代
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NANAKO
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こんにちは🌿.*
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へお立ち寄りくださりありがとうございます。
今日ご紹介するのは、福田和代さんの小説『潜航せよ』です。
「○○せよ」シリーズ2作目ですね。

📖 本の基本情報

単行本

タイトル潜航せよ
著者福田和代
出版社角川書店
発売日2013年10月
ページ数398ページ
ISBN-13978-4041105849
ジャンル文芸小説

文庫本

出版社KADOKAWA
発売日2016年5月
ページ数432ページ
ISBN-13978-4041044803

📝 あらすじ

日本海で、中国の戦略型原子力潜水艦が原因不明の爆発を起こしました。核弾頭を搭載した艦内で何が起きたのか――。各国の諜報機関が動き出す中、春日基地で防空管制を担う遠野真樹一等空尉は、海栗島に赴任したばかりの小隊長・安濃あのうを呼び出し、衝撃の事実に直面します。そこにいたのは、安濃ではない「誰か」だったのです。

国際謀略の渦に巻き込まれ、極秘任務と正体不明の影が交錯します。
決死の攻防が、いま始まるのです――。

💭 読んだ感想(ネタバレあり)

今回も「日本一運の悪い自衛官」安濃さんが、否応なく大事件に巻き込まれていきます。前作はテロとの攻防でしたが、今作は中国の原子力潜水艦の爆発を発端に、対馬や北京、釜山などを舞台とした国際規模のサスペンスへと発展。物語の規模が一段とスケールアップしていて、読みごたえ抜群でした。

面白いのは、主人公・安濃が決して「ヒーロー」ではないこと。むしろ射撃の名手である女性自衛官・遠野真樹の方が、物語のヒーロー的な役割を担っているのが印象的でした。安濃はただ運が悪いだけのはずなのに、その“巻き込まれ体質”がシリーズ化にぴったりですね。

物語後半、タイトル「潜航せよ」のもう一つの意味が明かされる場面は、なるほど、うまいなぁと驚きました。生き延びるために、心や存在を水面下に沈めなければ――。

潜水艦の構造や中国社会の仕組みなど専門的な部分もありますが、文章はテンポよく読みやすかったです。特に拉致事件が発覚してからは一気に話が動き出し、ページをめくる手が止まりませんでした。シリーズものとしてのつながりも強まり、続編への期待が高まるラストでした。

☕ この本は、こんな人におすすめ

  • リアリティあるミリタリーサスペンスが好きな人
  • 「迎撃せよ」を読んで続編を探している人
  • ヒーローではない“等身大の主人公”に惹かれる人
  • 国際関係や軍事を背景にした緊張感ある物語を楽しみたい人
  • ラストでゾクッとする二重のタイトル解釈を味わいたい人

🔚 おわりに

「迎撃せよ」に続いて、またもや濃密なミリタリーサスペンスにどっぷり浸かりました。日常からは遠い世界なのに、隣国の動き一つで日本が揺さぶられる恐ろしさはリアルで、背筋が寒くなる思いです。
専門用語に構えずとも、ぐいぐい物語に引き込まれるので、ぜひシリーズ通して一気読みをおすすめします。

NANAKO
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。この記事が、あなたと素敵な一冊との出会いにつながれば幸いです。
また次の本で、お会いしましょう!